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MESSAGE

「てがみでこんにちは」の活動について

代表 土井浩義

 30年近く前のことです。おしえおや様(PL教主)に数人の教師でお会いしたとき、「いま、子どもたちは困っています。子どもを直接救ってください」と話されたことがあります。

 子どもたちは何をどう困っているのか、どんな思いでいるのかを知らなければいけないと思いました。子どもたちとコミュニケーションを取ることができないだろうか。そこでまず担当する教会の子どもたちに、誕生日のメッセージを送ることを始めました。

 そのうち、年一度の誕生日だけでなく毎月子どもたちに手紙を書こうと思いつき、小学1年生の20人に書き始めました。毎月書けば、この子たちが高校3年生になるまで144通の手紙を届けることができる。内容によっては、すぐ生活に役立つこともあれば、心の底に沈んでいつか生き方の支えとなって、平和な社会を築く力となってほしい。

 そんな願いで、「あさ、きもちよくおきてますか」「いえのみんなに“おはよう”とあいさつしてますか」など、1989年4月から小学1年生の子どもと保護者に宛てて手紙を書き始めました。  そのうち、小学1年から高校3年までの各学年ごとに「てがみでこんにちは」を送りたいと思い、そうなると自分一人では手が足りませんので同志を募ることにしました。それがいま全国に広がっている「てがみでこんにちは」活動の始まりです。

 活動を語るとき、故井上一親さんのことを抜きにしては語れません。日比谷高校から早稲田大学に進学し、卒業後はテレビ制作プロデューサーとなり、PL教師となった後は教団の映画制作や文書布教に尽力し、詩人でもあった井上さん。

 井上さんは私の呼びかけに応じて原稿を書いてくださり、仲間たちの文章指導をしてくれただけでなく、教師を育成するPL教校の教校長としての立場を活かして、多くの若手教師を手紙の執筆者に勧誘してくれました。彼らは国内はもとより北米や南米、ヨーロッパの任地で、あるいは主婦となり母となった今も、熱い情熱を持って手紙を書いてくれています。

 現在、「てがみでこんにちは」活動に関わっているメンバーは70名を超えてます。

 30年前から見て、いまの子どもたちを巡る環境が良くなっているかというと、残念ながらますます悪い方向に推移しているのかもしれません。

 一人でも多くの子どもたちに、自己表現のすばらしさ、平和を愛する心、自他祝福に生きる喜びを届けていきたい。そんな思いをいつも胸に抱いて、これからも子どもたちと保護者に毎月手紙を書いていきます。